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 当講座では、下部尿路機能の制御機構と様々な下部尿路機能障害の病態生理を解明する研究を行っています。
 特に、膀胱知覚伝達機構の解明、過活動膀胱の発症機序の同定、間質性膀胱炎のバイオマーカーの開発、メタボリック症候群における下部尿路機能障害の病態解析、下部尿路機能障害の新規薬物療法の開発などを主な研究テーマとしています。
 以下に、これらの研究を遂行するために用いている実験系を紹介致します。

膀胱内圧測定(cystometry: CMG)

無麻酔・無拘束でラットをケージに入れ、膀胱に入れたカテーテルを介して、膀胱内圧および排出される尿量を経時的に測定する方法です。一般的な排尿機能実験として広く用いられています。

膀胱内圧測定(CMG)

ラットに比べマウスでは、正確な尿量を測り取る事は困難でしたが、新しい装置(写真とは別のもの)を購入し、マウスでも尿量を含めた正確なCMG測定が可能になりました。

伸展受容一次求心性神経活動単離導出実験(single afferent recording)

麻酔したラットの骨盤神経に電極を設置した後、L6後根神経を細かく裂いて記録電極に乗せ、骨盤神経の電気刺激と膀胱内生理食塩水注入により発火する単一の活動電位を単離し求心性神経活動を導出する実験です。これらの導出された神経線維は伝導速度によりAδまたはC線維に分けて分類し、それぞれの神経線維に対する薬物などの作用を評価するのに用いられます。 近年注目されている、膀胱知覚伝達路に及ぼす効果を直接的に記録・検討することができる実験系です。

摘出膀胱機能実験(In vitro bladder functional study)

ラット、マウスあるいはヒト膀胱や尿道などの組織を小さいバス(オーガンバス)内で吊るして、その収縮弛緩反応を測定することで、その組織の機能を検討する実験系です。

摘出膀胱収縮弛緩実験(muscle strip isovolumetric study)

本講座の井川教授が留学先のスウェーデンで学んだ技術を持ち帰った特殊なオーガンバス(左写真)と、一般的なオーガンバスの二種類を有しています。

摘出膀胱収縮弛緩実験(muscle strip isovolumetric study)

一般的なオーガンバスでは、摘出膀胱をまるごとオーガンバス内に入れて、膀胱伸展に伴って膀胱内腔に放出される伝達物質を調べる実験系を確立中です。福井大学泌尿器科学講座・横山 修 教授に御指導いただきました。
(左図)

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また、東京都健康長寿医療センターの桝永浩一先生のご協力の下、吊るした組織に直接プローブを刺し、組織内の神経伝達物質を回収して調べる実験系(マイクロダイアリシス法)も確立中です。この他にも、本大学の泌尿器外科学講座(本間之夫教授)と協力して、さまざまな実験系を行っております。